2014/05/25

世界遺産のことを考えた

「ハンセン療養所を世界遺産に」という目論見があるとかで、現在数少なくなった当事者の貴重なお話を聴こうではないか、と近くで催された講演会に出没してきた。

思えば、アウシュビッツが世界遺産なら、日本のハンセン療養所も世界遺産だろう。そして、富岡製糸場が世界遺産としてOKならば、長島愛生園は尚のことだろう、と私は思ったのである。
ただ、他所の国でハンセン療養所が世界遺産として登録された例があっただろうか、という(サイテーの言葉だと思うが)「前例」の有無云々で、ハンセン療養所は世界遺産に向けて、分が弱いかもしれない。

聞くとどうも、ノルウェーのハンセン療養所と日本のそれは、百年ほどの違いがあるという。この違いというのは、「後れていた」という違い。

ハンセン療養所を「負の遺産」として認められるだけのフトコロの深さが、この国にあるか、どうか。これが試金石、というか、時代の変わり目が来て、上手いこと追い風が吹けばいいが、現状見渡すと、不都合な真実を知りたくない、嘘とキレイごと大好き偽善者の多さに、私などは反吐が出んばかりである。 

私は、富岡製糸場が世界遺産になるちょっと前に、見に行って来た。絹糸はかつての殖産産業で、国をあげての一大事業となった、その背景には『女工哀史』や『あヽ野麦峠』などの黒歴史もあるのだが、そこには一切触れずに、「富岡製糸場は、良家の子女ばかりを集めて国が運営していたから、当時の私営の製糸場に見られたようなことは一切無かった」という文脈でのガイドの解説に、正直、気分が悪くなった。

一体、富岡製糸場を世界遺産に登録して、何を後世に伝えたいというのだろう、と。

それでも、富岡製糸場は世界遺産になるわけだから、ひょっとすると、「負の遺産」としてのハンセン療養所の文脈は、世界が認めても、日本国内の一部に残る了見が狭い勢力が…、あれである。

あれではあるが、私は富岡製糸場以上に、長島愛生園は後世に伝えていくべき価値があると思う。だから重要文化財としてでも保存すべきと思うが、重要文化財で国の金がうんたら…というのであれば、やはり世界遺産にしてもらって、そこの金で保存、ということを考えてもいいのではなかろうか。

まぁ最悪、ちょっとロシアを見倣ってもいいかもしれない。



しかし、百聞は一見に如かずなので、一度私も長島に行って、直にこの目に見て来るべきだな、と思っている。行ったこともないくせに、ごちゃごちゃ言うのはよろしくない。

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