2013/11/09

床下のおじさん

ダンナが二階で屁こいている。

うちでは、一階で屁の音がしたら、それは床下に棲んでいるおじさんのせいになる。
おじさんは、土を食っている妖精だと、ダンナは言う。誰もおじさんの姿を見たことはないが、屁の音がするので、おじさんがいるのがわかる。
しかし、おじさんがこいた屁ではないかもしれないのに、おじさんのせいにされていたとしたら、おじさんはかわいそうだと思う。

ダンナは今、二階でこいた屁を、一階にいる私のせいにするだろう。


最近、水木しげるワールドが私を呼んでいる。
水木しげる先生の描く妖怪の世界が、脳裏にちらついてしかたがない。
それで、図書館に行き、何冊か水木先生の本を手に取った。
なぜ、水木しげるなのか。

日々、妖怪を相手にしている()都合上、または権利擁護や社会的包摂について思いめぐらしたせいもあろう。(
そもそも私は、神秘主義思想家のスウェーデンボリに影響されているので、スェーデンボリを「描いた」水木しげる先生()には、ひじょうな親しみを抱いていた。
水木先生が紙芝居を描いていた時代、神戸にいらっしゃったということは、私の亡父はおそらく、水木先生の描いた紙芝居をリアルタイムで観ていたのだろう。父はゲゲゲの鬼太郎が好きだった。その影響も少なからずあるかもしれない。

しかし、小学生の頃「怪獣博士」や「妖怪博士」だった子らって、その後その知識は役に立ったのかな…などと、いぶかしく思わなくはなかった。
ダンナも妖怪の類が好きで、付き合いはじめた頃にダンナの部屋に遊びに行くと、妖怪の本があり、その時は正直、「男って、なんでこういう気持ち悪い系が好きなのか」と、女子っぽい考え方をしていた。
というか、私の感心は、妖怪よりも八百万の神さんの方に向いていた。若い時分は、霊的な感度は強かったものの、霊能力が強いわけではなかったので、憑かれて祓い落とす手間と苦労を考えて、あまり物の怪の類との接点を持とうとしなかった。
年齢を経て、私自身が妖怪化してきた部分もあり、物の怪とも同化できる能力がついてきたのだろう。ようやく、水木しげるワールドの扉が私の前で開いて、中から神々しい光を放っている。

さて、冒頭の床下のおじさんが、一体どういった類の妖精、または妖怪なのかと、ダンナと議論になった。
妖怪まんだら』を紐解いて、ダンナが「あ、これだ」と指差したのが、”家鳴り” という妖怪。
【家鳴り】家が風もないのにミシミシと鳴るのは、小鬼が家を揺すっているのだ。ひどい場合は、家中がまるで地震にあったように揺れることもあり、一種のポルターガイスト現象かもしれない。
もしくは”おなら神”。
【おなら神】人にへばりつき、屁音を出して損害を与える妖怪。江戸の作家、水又屋は、この妖怪のためにひどい目に遭うが、捕まえてみれば深川のゴミ捨て場で生まれた屁太郎という一寸ばかりの小男だった。

しかしある日、ダンナが外出していて、私が家で昼寝をしていた時。
ダンナが帰ってきて、寝ている私を何度もまたいでいき、ドドドドドと足音をたてて二階へと階段をあがっていった。
そうして、目が覚めて起きた頃、ダンナが帰ってきた。…

あれ?
ということがあり、それもまた、床下のおじさんのせいになった。
「妖怪博士」で、この記事をご覧になった方、床下のおじさんは、一体何という妖精、もしくは妖怪なのか、ご存知なら教えてください。




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