2013/10/20

「厚労相の来年の予算を見ると、社会・援護局に路上生活者支援にかかわる予算が、どこを探しても無い…」


 
トルストイを読んで感銘を受けた私は、できることなら、トルストイのような人の下で働きたい()と思い、以前、Yahoo!知恵袋で訊いてみた。
トルストイのような人の下で働きたいのですが、そういった起業家や経営者になかなか出会えません。
熱意を持って続く仕事をする、ということを考えると、やはり私はそういう人の下に就きたいのですが、トルストイのような人に出会うには、どんな方法があると考えられますか?(
すると、「あなたがトルストイのような人になれ」という、質問に対する答えになっていないような回答しか得られなかったのだが、しかし潜在的な願望は、いつかどこかで現実に表出してくるものなのかもしれない。

多分、現在私がおかれた環境の中で、いちばん「トルストイのような人」に近からず、遠からずなのが、三つかけもちしているバイト先のうちのひとつ、路上生活者支援もしているNPOの理事長なのだと、ある時思った。

理事長は、何の変哲もないオッちゃんのなりをしているが、実は、元牧師なのである。正体を知った時は「えッ!?」というカンジだった。
いちばんトルストイとは違うな、と思われるところといえば、トルストイは貴族だったし、印税やらで金があった。理事長には、金が無い。
金が無いというか、正確には、認定NPOとして、ちょっとふつうではできかねるぐらいのバイタリティーで、どうにか運営費を工面している様は、そんじょそこらの経営者でも、脱帽ものだと思う。ここまでできないなら、なまじ何かの組織を立ち上げるなどと、努々傲慢なことを企まないことだ。

それでも、まるで瓦解していくかのような昨今の世情は、十五年余りになる実績ある活動にも大きな影響が及んでいるようで。
ある日の夜回り()の時、活動報告を読み上げる理事長が、呆然と、そしてぽつりと言った。

「厚労相の来年の予算を見ると、社会・援護局に路上生活者支援にかかわる予算が、どこを探しても無い…」

例年ならば組まれていた予算である。
ここに予算が組まれていない、ということは、一体、何を意味するのだろうか。
私はまったく、今後の展開が読めなかった。

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