2013/09/16

職場で「エンパワメント」

ある日私は職場で、「エンパワメント」と言う言葉を三回使った。
しかし、利用者には「エンパワメント」とは言わない。利用者はそれが何か知らないから。
それが、問題だ。だから、

「今私に言った、それ、全部医者に言わなきゃダメだよ。
言うんだよ。言っちゃいなよ。
言っていいんだよ」

と、口ごもる利用者には二回繰り返した。

これからの時代は、これまで以上にエンパワメントする力が必要になってくる。
社会の理不尽に無理やり自分が合わせてあげるばかりでは、社会は何も変わらない。それは、ひじょうによろしくない、ということである。
自分の思いを伝える、声を上げる、言い方は色々だが、それができるムードづくりが必要だ。

昨今は言論統制だ情報統制だと、もの言う不自由さがあるよう()だが、あれも多分、ものが言える寛容なムードさえ作ってしまえば、大した問題ではないのではないか、という気がしなくもない。そのムードの恩恵を受けるのは、何より為政者の側ではなかろうか。

かくいう私は、割と物言うクチで、エンパワメントなんてカタカナで今更言われなくても、と思う。ただ、そのやり方については、特に誰に指導されたわけでもないので、我流でやりたいようにしかしてきていない。

だから、というわけではなく、先頃、偶々時間が空いたので、「ブラック企業被害対策弁護団発足シンポジウム」に行き、『ヤバい会社の餌食にならないための労働法』を、カンパがわりに買って読んだ。書いてあることは、労働者のためのエンパワメントの作法のようなことである。

私はこれまで30回以上転職してきているが、実は、「自己都合」以外の退職理由があることなど、知らなかった。この本によると、こういった私のような者は ”「自己都合」の退職によって、転職の面でも大損をする可能性もある。…云々” などとあり、「大きなお世話だ!」と言いたくなるのが、私の正直な気持ちである。

が、そもそも、この本は、今の日本の社会全体で、きちんとした労働法のルールが守られていないため、常識化している違法の部分を改善させていくツールとしても、意味のある一冊だと思う。思うが、これまでの労働法のルールを守らない社会に順応する努力をしてきてしまった私、なのである。

会社に「辞めろ」と言われたことはないが、そもそも、自分に合わない仕事しか、私はしたことがない。
リストラの空気が漂いはじめて、表向き円満退職を旨として、「立つ鳥跡を濁さず」を美学と思い、私は自己都合で退職してきた。
転職慣れしている私の、これが言い分である。仕事は基本、嫌々するものだから、「辞めてラッキー♪」が本音だったのである。
自己都合の退職が損になる社会。そんな社会に私は居ても損しかしない。ならば、そんな社会は捨てよう、と私自身が暮らしから社会を排除する発想に至り、それで現在、生保以下の不安定な収入でどうにかしているわけである。

そんなわけで、こういった私のような者にならないためにも、基本のルールをしっかりわきまえて、これからは労働現場にもエンパワメントの力が重要になってくるだろう。

エンパワメントは、個人や集団が自分の人生の主人公となれるように力をつけて、自分自身の生活や環境をよりコントロールできるようにしていくことである。 エンパワー(empower)という単語は、もともとは「能力や権限を与える」という意味である。…(

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