2013/03/19

ソクーロフの『痛ましき無関心』

渋谷でマニアックなロシア映画がたくさん上映されるというので、そのうちの一本を観に、渋谷に出掛けた。
久しぶりに見る渋谷の駅には、大きな山ピーの看板があり、長らくテレビを観ていなかった私は、最初それが誰だかわからなかった。しばらく見ないうちに、山ピーも大人になったものだと、月日の流れを肌身で感じるのだった。

映画館先着10名に、あの『太陽』()のソクローフ監督の直筆サインがプレゼントされることになっていたが、マニアが先に持って行ってしまっているだろうと、プレゼントをアテにしていなかったのだが、何を勘違いしたか、上映時間の一時間前に映画館に到着してしまったお陰で、ソクーロフ監督の直筆サインを手に入れてしまった。

アレクサンドル・ソクーロフ監督の直筆サイン!
アレクサンドル・ソクーロフ監督の直筆サイン! posted by (C)u_lala

そのサインを手で撫でたり、しげしげと見たりしながら、上映時間までお茶を飲んで時間を潰していると、すぐそばで元TBSキャスターの下村健一氏の出版記念講演会があるという。
テレビを長らく見ていないので、下村氏を存じ上げなかったのだが、受付を覗いた私の目の前に、ご本人がいらっしゃる。
本にサインをしてくれるというので、せっかくだからと『首相官邸で働いて初めてわかったこと』を買い、ついでに写真も撮らせてもらって、今日はなんだか、著名人のサインを二つもゲットするとは思いも寄らなかった。

下村健一氏にサインを貰う
下村健一氏にサインを貰う posted by (C)u_lala

そして、バーナード・ショウ原作、ソクーロフ監督の『痛ましき無関心』を鑑賞。
当然、美しい映画なのだが、眠りに堕ちた他人が見ている夢をそのまま見せてもらっているような、いわゆる不条理モノである。
第一次世界大戦を時代背景に、お屋敷に雑居しているのか、何なのか、登場人物がみんなキチガイで、ごくたまに正気に返ることがありつつ、しかし傍目に支離滅裂に感じられる会話が通じ合っているということは、一応、ここの登場人物みんな、屋敷の主人や使用人ともども、どうやら仲良しらしい。
この不条理さを際立たせる、風景の歪みのエッセンスが、たとえば監督の日本趣味なのか、西洋の風景、西洋人の登場人物の中に、西洋のばあやが日本のキモノを着て、日本髪を結っていたり、ばあやのくせに、やたらコミカルなダンスを披露したり、このカッコいいばあやは、一体何なんだよ、とか。
この映画の公開が1987年、ソ連時代ということで、それも踏まえて原作もひととおり目を通しておくと、点と線でつながって、ただの不条理モノで片づく作品ではないのかもしれないが、私はかつて、恩師に「バーナード・ショウを読め」()といわれていたにも関わらず、バーナード・ショウの戯曲はほとんど文庫になっておらず、一般に楽に手に取ることができないので、まだ読んでいない。


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